男性管理栄養士の目線で

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(ダイエッター必見)炭水化物抜きダイエットの危険性

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みなさんこんにちは、やーまんです。

 

今日は、各種メディアでもしばしば耳にする、炭水化物抜きダイエットについて

管理栄養士の視点から考察していきます。

(管理栄養士の中でも、沢山の考え方がある為、あくまで私個人の一つの考え方としてお読み頂ければ幸いです)

 

まず、炭水化物抜きダイエットとはどういうものかというと、

お米・パン・麺類・イモ類等(いわゆる炭水化物・糖質)を食べずに、

肉・魚・大豆製品・卵類等のたんぱく質

野菜類を中心とした食生活とするダイエット方法です。

炭水化物を意識的に抑えることで、身体の中に溜まっていた脂肪をエネルギーとして燃焼させ、体重を落としていくという考え方の様です。

 

炭水化物を我慢すれば、脂肪が使われて痩せるのか~!簡単じゃん♪

そう思った方は要注意!

原理は簡単に見えますが、単純に炭水化物を全部抜いてしまったら、

身体にかなりの負担がかかってしまうのです。

以下は、身体を構成する様々な栄養素ごとに考察していきます。

 

①身体中の糖質(炭水化物)

本来、食品中から摂取するべき糖質を、炭水化物抜きダイエットによって0にしてしまった場合、身体は自らに蓄えてある糖質を燃焼させ、エネルギーを生み出します。

そこだけ聞くと、ダイエット効果があるように聞こえます。たしかに、その原理の通り、体重が減るのは事実です。

ですが、それが長期化されるとどうなるでしょうか・・・身体中の糖質はどんどんと燃焼され、次第には枯渇してしまいますよね。いわゆる低血糖、という状態に陥ります。

低血糖状態になると、身体の抵抗力が落ちたり、脳が働かなくなる等、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

 

②身体中のたんぱく質

身体のたんぱく質の大部分は、筋肉・髪・爪等を作っています。

身体中の糖質が枯渇してしまうと、次は身体のたんぱく質を燃焼・分解して、エネルギーを生み出していきます。

するとどうなるでしょうか。筋肉量は落ちていく、髪や爪はぼろぼろになっていく等の変化が現れることは、容易に想像できますよね。

また、筋肉量が落ちてしまうという事は、基礎代謝量が落ちてしまうという事に繋がります。基礎代謝量が落ちると、リバウンドしやすい身体になってしまいます。

 

③身体中の脂質(脂肪)

脂質は身体中の様々な所に分布していますが、糖質が枯渇すると、やはり身体に貯蓄されている脂質を燃焼させ、エネルギーを生み出します。

しかし、これが長期化してしまうと・・・ケトン体と呼ばれる、脂肪の燃えカスの様な物質が多く産生されます。

ケトン体が過剰に増えると、血液や体液のpHが上昇し、身体が酸性に傾きます。こおの状態になることをケトアシドーシスといい、昏睡や意識障害等が起きて最悪命が危ぶまれることもあります。

 

④身体中の塩分

一見、炭水化物抜きダイエットと塩分は関係無さそうですが、実はとても密接な関わりがあります。

日本人の主食は、お米ですよね。お米には通常塩分は入っていません。

おかず類(肉・魚・野菜類等の様々な副菜)には、塩分は沢山入っていますよね。

 

そのお米(炭水化物)を抜き、たんぱく質や野菜等のおかず類ばかり食べる食生活(炭水化物抜きダイエット)をするという事は・・・塩分はかなりの量が身体に入ってきているということに繋がります。

塩分が多くなると、高血圧をはじめとした各種生活習慣病心不全等の心臓病に罹る危険性はとても高まります。

 

 

炭水化物抜きダイエットに様々な危険性がある事は分かって頂けましたでしょうか。

確かに、炭水化物抜きダイエットは体重を落とす効果自体はあると考えています。しかし、そのダイエット方法は、身体の健康状態も落とし、尚且つリバウンドもしやすい身体になってしまう、という実態があります。

上記の4つ以外にも様々な危険性があると思いますが、それはまた別の記事を作っていければと思います。

 

まとめ

・炭水化物抜きダイエットは痩せる効果自体は期待できる

・しかし、糖質が枯渇した後は、筋肉・体脂肪等を燃焼させてしまう為、健康に不調をきたす

・筋肉量が落ちると、基礎代謝量も落ちる=リバウンドしやすい身体になる

・お米を抜くことでおかず食いになることで、摂取塩分量が増え、生活習慣病・心臓病のリスクが増える

 

今日は炭水化物抜きダイエットの危険性についてお話ししました。健康的にダイエットする為の食生活については、また別の記事にしていきたいと思います。

 

それでは、今日はこの辺で。