男性管理栄養士の目線で

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<知っていますか>二日酔いに効く食事・健康食品・水分の摂り方

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こんにちは、やーまんです。

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前回の記事では、二日酔いの正体について触れました。

 

まだ読んでない方は、ぜひお読みください↓

gohangohan-com.hatenablog.com

 

今回の記事では、つら~い二日酔いを早く治したい皆様のお役に立てるよう、管理栄養士の視点から食事・健康食品(私は病院に勤める以前、ドラッグストアにも勤めておりました)・水分の摂り方などについてお話していきます。

 

食事の摂り方について

①飲酒前にお腹に入れましょう

空腹でいきなりお酒を飲むと、アルコールの吸収スピードが早くなります。そのため、一気に血中アルコール濃度が高くなり、肝臓で分解が追い付かず、二日酔いの原因となります。これを防ぐには、飲む前に食べ物をお腹に入れておくとよいでしょう。消化に時間のかかる脂肪分を少量摂っておくと、二日酔い防止に有効です。

 

チーズなどのたんぱく質も含む乳製品やナッツ、ドレッシングのかかったサラダ、またアセトアルデヒド(有害物質・悪酔いの原因)を分解する上で不足しがちな炭水化物も摂っておくとよいでしょう。

 

②飲酒中に水分補給をしましょう

お酒とお酒の間に水を飲むことで、アルコールの影響を軽減できます。洋酒では「チェイサー」、日本酒や焼酎では「和らぎ水」と言います。二日酔いの原因の一つがアルコールの利尿作用による脱水症状ですので、水分を途中で摂って脱水になるのを防ぐようにしましょう。

 

水には利尿作用がありませんし、胃からの吸収速度も違うため、アルコールほど多くは飲めません。水を飲むことで、アルコールの摂取量も調整できます。この時、利尿作用のあるカフェインを含む紅茶や緑茶、コーヒーで水分を摂るのは避けましょう。途中でお味噌汁などで水分を摂るのも、飲みすぎ防止にはいいですね。

 

③飲酒前後に滋養強壮剤を飲みましょう

お酒を飲む前に先手を打つ作戦です。ウコンやタウリンを含むサプリメントや滋養強壮剤などを飲酒前に飲んでおくことで、胆汁の分泌を盛んにし、アルコールの代謝機能を高めておくことに繋がります。

飲酒の前に飲む方が効くのか、後に飲む方が効くのかはその滋養強壮剤により異なりますので、事前に確かめてから飲むようにしてください。

 

また、他にたんぱく質アセトアルデヒドの分解を促し肝臓の働きを助けるので、牛乳を飲んでおくのもよいでしょう。

 

 健康食品・二日酔いに効く食品成分について

二日酔いを治すには、体内に残っているアセトアルデヒドの分解を助け、早く体外に排出することが重要です。その為には、その作業を行う肝臓が十分働けるように手伝ってあげるのが一番です。

よく、テレビやCMなどでもウコン入りのドリンクや、しじみの味噌汁などが二日酔いに効くと取り上げられています。実際にはどうなのでしょうか、少しだけ見ていきましょう。

 

ヘパリーゼ

ヘパリーゼと聞くと、CMのメロディが浮かぶ方もいるのではないでしょうか。ヘパリーゼゼリア新薬が商標登録しているブランド名で、「ヘパリーゼ」は造語だそうです。ドリンク剤から錠剤まで、つまりは清涼飲料水から医薬品まで多数取り揃えています。主成分の肝臓水解物が、弱った肝臓の回復に役立つということです。

 

医薬品扱いの物は、肝臓水解物の他にジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、胃腸薬成分や漢方成分(ゴミシ)も入っているので、効能に「二日酔いのむかつき」と表記されています。即効性があるとのことです。

 

コンビニで気軽に買えるタイプの物は静療院憔悴です。清涼飲料には効能としては、「二日酔い」に効くとは書いてありません。アミノ酸が多種類含まれている為、滋養強壮にいいですね。数あるヘパリーゼ製品の中から、目的に合った製品を選ぶといいでしょう。



②ウコン含有ドリンク

ウコンはカレーに入っていますから、馴染みがありますよね。アルコールを飲む前に、とCMでもお馴染みです。ウコンに含まれるクルクミンは胆汁分泌の活性化を促し、肝臓機能の強化が期待される成分です。ただ、ウコン含有のドリンク剤などを飲んだとしても、飲んですぐに肝機能が上がるほどの即効性は認められていないようです。

 

最近の研究によると、ウコンには様々な種類があり、日常的に摂取し続けると、却って肝機能障害を起こすこともあるので、安易に常用するのは避けた方がいいようです。医薬品ではないので、コンビニで気軽に購入できます。

ハイチオールC

効果・効用として「二日酔い」の表示が認められている医薬品には、ハイチオールCがあります。配合されているL-システインアセトアルデヒドと直接反応して無毒化したり、アルコール脱水素酵素アセトアルデヒド脱水素酵素の働きを助け、アルコールが無害な酢酸に分解されるのを促進します。

 

また、L-システインは生体機能維持に大切な酵素を供給します。そのため体内でエネルギーを効率よく作れるようになり、二日酔いのエネルギー不足によるだるさ・疲れを改善することができます。


④しじみ

しじみには、オルニチンというアミノ酸が大量に含まれており、このオルニチンが肝臓においてはオルニチンサイクル(尿素サイクル)という有害なアンモニアを分解する代謝経路に関与します。また、肝機能を高めるので、アルコールの分解で弱った肝臓を助けてくれます。

 

このオルニチンはチーズやマグロにも含まれていますが、僅かです。含有量で見るとしじみがダントツで優れています。古来より「二日酔いにはしじみ汁」と言っていたのは、先人の知恵だったのですね。オルニチンのサプリメントは色々あるため、含有量や配合されている他の成分もよく吟味して選んでください。



水分摂取について

アルコールを飲んでいると、「水分はたっぷり摂っている」と思い込みがちですが、アルコールの利尿作用により、飲んだアルコール量以上の水分が出ていっています。たくさん飲んでも出ていく水分に追い付かないという「脱水のスパイラル」に知らぬ間に陥っているのです。

 

上記での、飲酒中のチェイサーなどでの水分摂取に加え、翌日目覚めたらまず水分補給しましょう。できるならば飲んだ夜のうちに、水分を摂っておくと二日酔いが軽減します。スポーツドリンクは吸収しやすいですし、肝臓のエネルギー源の糖分を補給できます。

オルニチンを多く含むしじみの味噌汁は肝機能を高め、水分も補給でき、また身体がだるい・頭痛があるつらい状態でも比較的摂取しやすいかと思います。


いかがでしたでしょうか。

アルコールを摂取すると楽しい、でも二日酔いはお断り。そうできなかったのは、人が酔うメカニズムと二日酔いの原因を知らなかったから。でも今日からは大丈夫ですよね?飲む前に、飲んでいる時に、飲んだ後に、するべきことが分かったのですから、もう大丈夫なはずです!(自分にも言い聞かせております)

 

記事をまとめている上で、特に重要と感じたのが、飲む前の行動です。先に水分(カフェインを含む紅茶・緑茶・コーヒーはNG)を飲んでおくだけでかなり違ってくるはずです。少したんぱく質をお腹にいれておけばなおいいですね。なんといっても、いきなり理性が解放されてしまえば、「今日は理想的に飲もう」という計画は吹っ飛びます。

楽しい飲み会が翌日以降も楽しい記憶として残るように、上手にお酒と付き合いたいですね。

それでは、今日はこの辺で。



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