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ミネラルウォーターと炭酸水、どちらがいい??

こんにちは、やーまんです。

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以前、ためし〇ガッテンでも紹介された、炭酸水について栄養学的観点から記事にしたいと思います。

ドラックストアや自動販売機、さらには銭湯(温泉)などでも、ミネラルウォーターだけでなく炭酸水を置いている場所を数多く見かけるようになりました。

 

でも、効果がよく分からないために、炭酸水には手を出さずミネラルウォーターを選択する方も多いと思います(私もその内の一人です)。

そこで、今日は炭酸水の効果を明らかにしていきます!

それでは、見ていきましょう。

 

炭酸水の効能

・ダイエット効果

・健康効果

があると言われています。

(美容効果もあるようですが、専門外であるため、割愛させていただきます)

 

ダイエット効果

『コーラ』や『ペプシ』『ファンタ』『ラムネ』といった、糖分が入った炭酸飲料ではダイエットはできません。

尋常じゃないほど糖分が入っているので、カロリーが高いです。

 

ですが、無糖でカロリー0の炭酸水は太りません。

カロリーが無いので、太りようがないのですが、しかしそれどころか、ダイエット効果が期待できるとの事です。

 

炭酸水がダイエットにいいと言われているのは、以下の効果があることに由来します。

①空腹を抑制

炭酸水を飲むと空腹が紛れます。

人間にはいくつか食欲を感じるメカニズムがあるのですが、これは、炭酸水は普通の水を飲むよりも胃が膨れるため、胃から来る食欲が感じにくくなる事によります。

食事の前に飲むことで食事の量を減らすことが出来、小腹がすいた頃に飲むことで間食を防ぐことが出来ます。

 

基礎代謝が上がる

炭酸水を摂取することで基礎代謝(新陳代謝)がアップすると言われています。

これは、

 

炭酸水を飲む
⇒血中の二酸化炭素濃度が高くなる
⇒酸素不足と身体が判断
⇒血流量が増える
⇒体内の器官が活性化
⇒新陳代謝がアップ

というメカニズムだそうです。

確かに、代謝経路上、理にかなってはいるように思えますが・・・

ただし、これはだいぶ誇張表現と考えます。

 

「炭酸水によって代謝がアップしたから痩せた」ということを実感できるほどの効果はまず得られないと思いますので、過度の期待には注意です。

理論上は代謝がアップするといった程度ですね。

 

基礎代謝というのは、そのほとんどが自分の体格に依存するものなので、簡単に引き上げることは不可能なのです。

というわけで、炭酸水の飲用によるダイエット効果を期待するなら、“空腹の抑制”を目的とした方がいいでしょう。

 

炭酸水の健康効果

主に以下のものが挙げられます。

①疲労回復

炭酸水の効果を裏付ける例としては海外に目を向けてみるとよくわかります。イタリアのサッカー代表チームは炭酸水をオフィシャルウォーターとして愛飲しています。

また、炭酸のスポーツ飲料も販売されています。

これらには、炭酸水に“疲労回復効果”があるためです。

 

このメカニズムは、上述した血流量が増え新陳代謝がアップすることで、身体が疲労回復を促進するというものです。

他にも、疲労の原因となる物質である“乳酸”が、炭酸水の“重炭酸イオン”に中和され、尿となって体外に排出されるという作用もあります。

 

②便秘改善

炭酸水が胃を刺激することで、食欲が抑制されるという効果の他にも、胃液の分泌を促進して消化が良くなり腸の蠕動運動が活発化されます。

これによって、便秘改善の効果が期待できます。

 

冷え性改善

前述しましたが、炭酸水を飲むことで血流量が増加します。

それにより、冷え性の緩和効果が期待できるのです。

 

④肩こり緩和

炭酸水によって血流を良くして老廃物を排出することで、肩こりを緩和する効果も得られます。

 

炭酸水のデメリット

よく、テレビや広告なんかでは、「これを食べたり飲んだりすれば健康にいい!」というような見出しで食品が紹介されていることが多々ありますが・・・断言します、そんな都合のいい食品はありません。

何事も適量が一番であり、適量外(例えば食べ過ぎなど)ではどんな食品でもリスクがあります。

 

そんなわけで、炭酸水のデメリットもご紹介します。主に以下の2点です。

①飲みすぎによる代謝の悪化

炭酸水を飲むことは新陳代謝の向上につながり、それに伴い様々な効果が期待できるのですが、飲み過ぎによってむしろ代謝が悪くなってしまうことがあります。

 

どういうことかといえば、炭酸水は“酸性”です。

飲み続ければ身体は酸性に近づき、代謝が悪くなり疲れやすくなるのです


②酸蝕歯(さんしょくし)の危険性

こちらも炭酸水が酸性であることが原因の症状で、“酸蝕歯”は酸により歯の表面のエナメル質が溶けてしまう症状のことを指します。

 

エナメル質が溶けてしまうと歯がもろくなったり、黄ばんで見えたり、さらに悪化すると知覚過敏や痛みを感じるようになります。

 

こういう理由から毎日炭酸水を飲み過ぎるのは避けたほうがいいかもしれませんね。

 

もし心配なら、

・炭酸水の摂取で歯が軟化しているため摂取から30分は歯磨きを控える
・炭酸水を摂取したら、すぐにうがいをしたり、水を飲む
・歯磨き粉はフッ素配合のものを使い、歯質の改善を図る
などの対策をしましょう。

 

また、酸蝕歯は炭酸水だけの問題ではなく、柑橘類の果物、お酢、栄養ドリンク、ワインなど、他の酸性の食品もそのリスクを孕んでいるため注意が必要です。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

代謝経路から考えてみても、確かに、良い効果を持っている面もありそうです。

使い方次第では、普段の食生活に取り入れてみるのもいいかもしれませんね。

それでは、また。