<知るとお酒選びが楽しくなる!>日本酒の製造方法と風味の違い
こんにちは、やーまんです。
今回は、日本酒の製造方法と風味の違いについて記事にしていきたいと思います。
日本酒にも本当に様々な種類がありますよね。同じ銘柄でも、純米酒、大吟醸、本醸造、等々・・・すごく細かく分かれています。
今回は、知っているとより日本酒を味わえる、そんなプチ情報を記事にしていきたいと思います。
前回はビールについて記事にしています。まだお読みでない方はコチラもお読みください↓
そもそも、日本酒とは・・・
日本酒(にほんしゅ)は、通常は米と麹と水を主な原料とする清酒を指します。日本特有の製法で醸造された酒で、醸造酒に分類されます。
分類
普通酒とは、下記の特定名称酒以外の清酒を指します。一般に流通している大部分の日本酒は普通酒に分類されます。
米、米こうじ、水の他に、清酒かす(酒粕)、政令で定める物品を原料(副原料)として製造されます。
特定名称酒
清酒の要件を満たしたもののうち、原料や製法が一定の基準を満たすものは、特定の名称を容器又は包装に表示することができます。特定名称を表示した清酒を特定名称酒といいます。
特定名称酒は、原料や精米歩合により、本醸造酒・純米酒・吟醸酒に分類されます。
精米歩合とは・・・
白米の、その玄米に対する重量の割合をいうものです。
精米歩合の数値が低いほど、より高度に精米(玄米のぬかや胚芽等の表層部を削る)されていると言えます。
一般的に米の表層部のぬかや胚芽等は雑味の元になりやすく、中心部(心白)は雑味が少ないとされています。
大吟醸などは「精米歩合50%以下」とありますが、玄米1粒のうち、外側を半分以上も削って捨ててしまう為、自然と高価になり、雑味の少ないお酒となるのです。
醸造アルコールとは・・・
食用に用いられるアルコール分(エタノール)のこと。原料には主にサトウキビが用いられ、サトウキビの糖蜜に酵母を加えて発酵させてアルコールを発生させたものを蒸溜させることによってできあがります。他にも米から作られた米アルコールなどもあります。
醸造アルコールは大手の酒造メーカーが製造しており、各蔵元が大手メーカーから買っているのです。ちなみにこの醸造アルコールをアルコール度数が36%以下になるように薄めたものを甲類焼酎と呼びます。
なぜ醸造アルコールを使用するのか
目的①防腐
目的②香りをたたせる
日本酒と言えば華やかな吟醸香を思い浮かべませんか?この香り成分は水分よりもアルコールに良く溶ける性質を持つのです。ですので純米酒よりもアルコール添加された日本酒の方が、香りをより感じやすくなります。鑑評会用の日本酒では、純米大吟醸よりもアルコール添加された大吟醸酒の方が用いられることも多いそうです。
目的③軽快な味わいを生み出す
更に醸造アルコールには軽快な味わいを生み出す効果もあります。日本酒に含まれる糖分や酸による雑味の部分をアルコールが抑えてくれるのです。これによってスッキリとキレの良い軽快な飲み口の味わいが生まれます。
日本酒の醸造アルコールについていかがでしたでしょうか。アルコール添加されている日本酒だからといって純米酒に劣るという訳ではないのです。それぞれの日本酒の特徴を理解して、自分の好みの1本を見つけてみてくださいね。
吟醸造りとは・・・
国税庁の吟醸造りの定義は「吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること」をいいます。
今回は「精米の吟味」「酵母の吟味」「造りの吟味」にスポットを当てて説明していきます。
①精米の吟味
国税庁の定義でいう「よりよく精米した」は、精米歩合が60%以下でなければならないとされています。
②酵母の吟味
国税庁の定義では「吟醸造りには特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること」と記載されています。
ここで日本酒の香りを決める大きな要素の一つとして、酵母で考えてみましょう。
実は、”特有な芳香”と記述がありますが「○○酵母を使わなければならない」という規定はないのです。一般的に果実や花のような芳香を生む酵母として、9号酵母やアルプス酵母などがありますが、必ずしもこれらを使う必要はありません。
蔵元の造りの方向性によって酵母も多分に変化するので、「特定名称は同じ吟醸酒なのに、香りの強さや質が全然違う!」ということもしばしばあります。ある意味「飲んでみるまでわからない」のが日本酒のいいところかもしれません。
③造りの吟味
「白米を低温でゆっくり発酵させ・・・」とありますが、たとえば「低温とは一体何度のことなのか?」「”ゆっくり”とは何分、何時間、何日のことなのか」数値的な基準はありません。
ただ、これまで一般的に「吟醸造り」の日本酒といえば、「香り高い」「上質」「蔵元の渾身の酒」「新酒鑑評会に出されるような酒」など、飲み手と造り手の間に共通認識がありました。
しかし、昨今では「低温でゆっくり発酵させ、吟味して醸したお酒」でも、あえて純米酒で統一して販売したり、独自シリーズを展開して、これまでの吟醸造りにないようなオリジナル色を出したりしている場合も多くみられます。
「吟醸造り」をまとめると・・・
1. ラベルに「吟醸」と表記するためには「精米歩合60%以下」という規定が存在する (その他の規定もある)。
2. 使用酵母や造りの方法には明確な統一規定が存在しない。蔵元の基準で吟味して醸されたものが吟醸造りである。
いかがでしたでしょうか?
「吟醸造り」という手法は、ある程度自由度が高く、商品ごとで味や香りがまったく違った印象になる可能性があります。
ただ、本来の「吟味して醸す」という定義どおり、「蔵元の技術を結集させたお酒」であることは間違いなさそうです。
このことからも、「吟醸造り」というキーワードから一様に判断するのではなく、蔵元の公式WEBサイトや酒販店で、蔵元の方向性や造りのこだわりの情報を得て選ぶといいでしょう。
それでは、今回はこの辺で。