<知るとお酒選びが楽しくなる!>ビールの製造方法と風味の違い
こんにちは、やーまんです。
今回は、ビールの製造方法と風味の違いについて記事にしていきたいと思います。
スーパーや居酒屋でも、普通の生ビールや黒ビールなどなど、ビールって本当にたくさんの種類がありますよね・・・
選ぶ時に、少しでもこの記事を参考にしていただければ幸いです。
そもそも、ビールとは?
主に大麦を発芽させた麦芽(デンプンが酵素(アミラーゼ)で糖化している)を、ビール酵母でアルコール発酵させて作る製法が一般的です。
日本語の漢字では麦酒(ばくしゅ)と表記されます。
原料は何?
ビールの主な原料は水、デンプン源(麦芽など)、ビール酵母、香味料(ホップなど)です。多くの場合、大麦の麦芽を主原料とし、副原料としてアサ科のホップやトウモロコシ、米、砂糖等が使われます。特にこれらの副原料は大麦麦芽の安価な代替物として使用されることがあります。また小麦やライ麦の麦芽でも製造は可能です。
原料その1:水
ビールの主成分は水です。地方によって水に含まれているミネラル組成は異なります。硬水なのか、軟水なのかによっても口当たりなどが変わってきます。そのため、各地方で製造するのに水に最も適したビールも異なり、地方ごとの特色が現れます。日本各地に、地ビールを作っている場所があるのはこういった理由からです。
原料その2:糖質原料
ビールのデンプン源に何を使用するかで、その濃さや風味が左右されます。最も一般的なデンプン源は麦芽であり、大部分のビールには大麦の麦芽が使われます。
麦芽の製法は種子に水と空気を与えて発芽させ、発酵過程に入る前に麦芽の成長を止めるため窯内で乾燥焙煎させます。これを焙燥といいます。その後、幼根を取り除いたものが麦芽と呼ばれます。種子が麦芽になることによって、デンプンを発酵性の糖に変える酵素が生産されます。
また、同じ種類の穀物から作られた麦芽でも、焙燥時間と温度の違いによって、異なる色彩をもつようになります。暗色の麦芽からは暗色のビールが製造されます。
多くのビールには大麦の麦芽が使用されています。大麦は発芽力が強く、皮が薄く、でんぷん質が多く、窒素量の少ない点が原料として優れている事によります。
原料その3:ホップ
現在、商業用に生産されているビールのほとんど全てには、風味付けとしてホップが使われています。
ホップは、麦芽の甘みと調和のとれた苦味をビールに与え、また花や柑橘系、ハーブのような香りをビールに与えます。ホップには抗生物効果があり、ビール醸造に寄与しない微生物を抑え、ビール酵母が有利に働く環境を整える効果があります。他にも泡持ち(ヘッドリテンション)の長さに寄与し、保存力を高める効果があります。
原料その4:ビール酵母
ビール酵母は穀類から引き出した糖を代謝し、エチルアルコールと炭酸ガスを生産します。酵母の働きによって麦芽汁がビールになります。
また酵母はビールの個性、味わいにも影響を与えます。
ビール酵母には、発酵中に発生する炭酸ガスとともに液面に浮かび、褐色クリーム状の泡の層を形成する上面発酵酵母と、発酵末期に槽の底に沈殿する下面発酵酵母が存在します。
製造に前者を用いるビールを上面発酵ビール(エール)、後者を用いるビールを下面発酵ビール(ラガー)といいます。
最も主要な上面発酵酵母はSaccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セレビシエ)で、最も主要な下面発酵酵母はSaccharomyces uvarum(サッカロミセス・ウバルム)です。
原料その5:清澄剤
清澄剤は濁り物質を凝集させて沈殿除去する働きのある物質です。製造直後のビールにタンパク質の濁りが見られるとき、醸造所によっては1種類あるいはそれ以上の清澄剤が添加されることがあります。この操作によって澄んだビールを作ることができるのです。
エールビールとラガービールって何が違うの?
エールビールとは・・・
上面発酵のビールを、エールと呼びます。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セレビシエ)とその亜種)を用い、常温で短い時間で発酵を行います。盛んに炭酸ガスを出すために、最終的に酵母が浮かび上面で層を作るために上面発酵と呼ばれます。
複雑な香りと深いコクを特徴にしており、主なスタイルとしてペールエール、スタウト、アルトビール、ケルシュ、ヴァイツェンなどがあります。
ラガービールとは・・・
下面(かめん)発酵のビールをラガーと呼びます。主にはSaccharomyces uvarum(サッカロミセス・ウバルム)という酵母を用い、低温(10℃以下)で長時間発酵を行います。役目を終えた酵母は沈殿するため、エールの上面発酵に対して下面発酵と呼ばれています。
比較的すっきりした味で、ピルスナー、ボックなどのスタイルがあります。
ラガーとは貯蔵されたビールという意味です。
現在の世界のビールの主流です。一定の品質のビールを大量生産するのに最適だった事や、黄金色の美しい色と、ガラス製のグラスやジョッキが普及したことも人気の理由の一つと言われています。
美味しく飲むために・・・ラガービールの注ぎ方!
ラガービールは豊富な泡を発し、注ぎ方によって味も変化します。泡はビールが空気に触れて酸化されることにより味が変化することを防ぐ役割もあります。
ビールの苦味成分は液体中に拡散していますが、これは泡によって吸着されます。そのため、ビールの炭酸泡の形成過程をコントロールすることにより、ビールの苦味成分を液体上部に浮かぶ泡の層に閉じ込めることができるのです。
注ぎ方の一例
①最初はグラスの底にビールを叩きつけるようにして注ぎ、泡を形成。これによりビールが空気に触れるのを防ぐことができます。
②グラスとビールの注ぎ口を近づけるなどして初めに形成した泡を壊さないように静かに注ぐ。これにより、均質な大きさの泡が液体中で均等に形成されるため壊れにくく、苦味成分も吸着させることができます。
生ビール・ドラフトビールとは
生ビールとは、日本において熱処理をしていないビールを指します。
ドラフトビールは、同義語です。英語の「ドラフト」 ("draft"と"draught") は、樽 (keg) から注いだビールのような味や見た目をした缶ビールや瓶ビールを示すマーケティング用語として使われてきました。
黒ビールとは
黒ビールは、淡色麦芽と濃色麦芽をブレンドして使用しています。高温で焙煎・乾燥させてつくる濃色麦芽の色合いにより、黒い色が生まれます。
通常よく飲まれているピルスナータイプのビールは、淡色麦芽を使用しています。
いかがでしたでしょうか。
家での晩酌や新年会や忘年会、他にも様々な祝いの席などでも、ビールを飲む機会は多いですよね。
少しだけビールについて知識を持っておくだけでも、飲み会や食事の楽しみがより大きくなるかもしれません。ぜひ、皆様のお役に立てばと思います。
それでは、また。