男性管理栄養士の目線で

栄養学・料理・アウトドア

心不全(心臓病)になぜ減塩が必要とされるのか

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、やーまんです。

 

今回は心臓病の一つである、心不全について栄養学的観点から触れたいと思います。

心不全の詳しい病態については、グー○ル先生に聞いて頂くとして・・・、私がお話ししたいのは、なぜ心不全に減塩が大事なのか、という部分です。

 

とっっっっても簡単にお話しするならば、心不全の身体所見として、

・足の浮腫み

・体重増加

 

上記の2つが見られることがしばしばあります。実はこの2つは密接に関係している事が多いのですが・・・・ズバリ、その原因は、身体に溜まってしまった「水」なのです!

 

何故、身体に水が溜まってしまうのか、その原因がまさに今回の話題の中心である、「塩分」にあります。

 

分かりやすくお伝えする為に、

まずは生野菜のレタスを想像してみて下さい。

そのレタスに、塩をパラパラと振りかけてしばらく置くととどうなりますか?

レタスの葉はしなしなになり、水が外に出てきますよね。これは、浸透圧の差により、塩が水を引き付けて離さないという現象が起こっているのです。

 

身体にも同じ現象が起きます。

 

塩分を常日頃から多く取っていると、身体中の塩分量が多くなります。

浸透圧が高くなり、身体の塩分濃度を薄める為に、脳は「喉が渇いた」という指令を送ることで水分補給を促します。

通常は、補給された水分は便・尿として体外へ放出されたり、呼吸中や肌から蒸発して失われることで、補給と排出の水分バランスは一定に保たれています。

 

しかし、身体中の塩分量が多い人が水分を沢山摂ると、塩が水を引き付けて離そうとしない現象が強く働き、気づかないうちに尿量が減っていたり、蒸発していく水分の量が減っていたりして、水分バランスは崩れ、補給量が排出量を上回り、身体にどんどんと水が溜まってきてしまいます。

 

身体に溜まってきた水が、重力に引っ張られて足の方に落ちてくると、「足の浮腫み」になります。

また、単純に水が身体に溜まるという事は、その分重くなるので、「体重増加」にもなります。

 

 

心不全の急性期の方などは、1~2か月で2~5kg程体重が増加する人も珍しくありません。

体重が増えるという事は、その重くなった身体を動かす為に心臓はいつもより余分に動かなければならなくなります。また、心臓というのは寝ている間も止まることのない器官ですよね。

24時間、常に体重が増えた分の負担が、心臓にかかっていることになり、心臓が疲れてしまう事が、心不全の原因の一つと言われています。

 

少し難しくなってしまいましたが・・・普段から「減塩」をしておく事で、身体の塩分量を少な目に保ち、水が溜まりにくい身体を作ることが、心不全の食事療法において最も重要と言われています。

 

「減塩食」の具体的な塩分量等については、また別の記事にしていきたいと思います。

それでは、今日はこの辺で。

このエントリーをはてなブックマークに追加