血液ドロドロを改善!LDLコレステロールを下げる食事療法
こんにちは、やーまんです。
前回の記事では、コレステロールとはどういった物質なのかについて触れました。全てが悪者な訳では決してなく、LDL(悪玉)やHDL(善玉)に分かれている事が分かって頂けたかと思います。
良い血液の状態を保つには、LDLコレステロールを下げ(140mg/dl未満)、HDLコレステロールを上げる(40mg/dl以上)事が重要です。
LDLコレステロールが上がってしまう食事とは
LDLコレステロールが上がる原因は様々ですが、今回はその中でも「食事」に焦点を当ててお話しします。
食事はLDLコレステロールが高くなる大きな要因となります。例えば、肥満に繋がるような高脂肪・高糖質・高カロリーな食事は中性脂肪やLDLコレステロールを増やします。乱れた食生活によって内臓脂肪型の肥満になるとHDLコレステロールも減少するため加速度的にLDLコレステロール値が上がるというリスクが増加します。
また、肝臓でコレステロールを合成するための材料になる動物性脂肪やトランス脂肪酸を摂り過ぎると、LDLコレステロールの合成量が増え、ドロドロ血液をつくります。
LDLコレステロールを下げる食事の食べ方
①コレステロールの多い食品を知り、食べ過ぎに注意する
食品からコレステロールを摂ることは近年それほど血中のコレステロールを増やすことと関連しないと言われるようになってきましたが、肝臓での合成量がもともと多い体質の人や加齢等によって代謝が落ちてきている方は、食事からのコレステロールを控える必要があります。コレステロールが多い主な食品は、動物性食品や魚卵、鶏卵、内臓類です。
ケーキやシュークリーム、プリン等の洋菓子にも、鶏卵や生クリームが多く使われているため、コレステロール量は多い傾向にあります。
②「飽和脂肪酸」の摂取量を減らす
コレステロールよりも控えた方がいいものは、肝臓でのコレステロール合成の原料となる「飽和脂肪酸」です。
体内のコレステロールの内、8割は肝臓で合成されているため影響が大きいのです。飽和脂肪酸は肉の脂身やラードなどに多く含まれる動物性の脂肪とマーガリン等に含まれるトランス脂肪酸です。適量を心がけ摂り過ぎに注意しましょう。
③お酒を控える
アルコール自体にはコレステロールが含まれていない為、直接的にはコレステロールを増加させる作用はありません。しかしカロリーが含まれている為(純正アルコールで7kcal/g)、中性脂肪値を増加させてしまいます。中性脂肪値の増加は、内臓脂肪型肥満に繋がります。
④おつまみも控える
LDLコレステロールを増加させる直接の原因は、お酒と同時に食べる事が多い「おつまみ」にあります。おつまみはLDLコレステロールの合成量を増やす飽和脂肪酸が多い動物性の脂肪を含む食べ物を選びがちだからです(例:唐揚げや焼き鳥など)。LDLコレステロールを下げるには、お酒の量を控えるのと同時におつまみも植物性の食品や青魚などを食べるようにしましょう。
積極的に食べたいもの
上記4つでは、「控える」事ばかりお話ししましたが、それだけでは食事本来の「食べる楽しみ」が少なくなってストレスが溜まってしまいますよね。
食べることでLDLコレステロールが上がってしまうならば、その逆もまた然り、食べることでLDLコレステロールを下げてくれる食品もやはりあります。
・大豆
大豆は天然のコレステロール低下薬と呼ばれるほどで、コレステロールが気になっている人に最もお勧めしたい食品です。大豆そのものだけじゃなく、大豆製品の納豆、豆腐、高野豆腐、豆乳なども全てお勧めです。大豆成分の植物性たんぱく質、レシチン、サポニン、食物繊維、イソフラボン、全てがコレステロールを下げたり動脈硬化を抑制するために働いてくれます。コレステロールを下げたいなら大豆や大豆製品を毎日の食生活に積極的に取り入れましょう。
・青魚
青魚の油に含まれる不飽和脂肪酸でオメガ3脂肪酸のDHA・EPAには、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあるそうです。厚生労働省でも1日に1,000mg以上の摂取を推奨しています。漁師さんは健康診断が近づくと1ヶ月前からサバを毎日食べて数値をクリアするとか。
DHA・EPAは油に含まれる成分のため、脂が乗った青魚のほうがDHA・EPAをより多く摂ることが出来ます。DHA・EPAが多い青魚はマグロ、ブリ、サバ、サンマ、うなぎ、イワシ、ニジマス、鮭、アジなどです。新鮮なお刺身か、汁まで食べられるような調理法がお勧めです(塩分の摂り過ぎには注意しましょう)。焼き魚にすると脂が落ちるのでコレステロールを下げる意味では少しもったいない調理法です。
魚は高温(100度以上)で一定時間以上加熱すると冷めた時に脂が参加して生臭くなるので、生臭いのが苦手な人は短時間で調理するといいそうです。煮魚の時は沸騰させない温度で調理するのがお勧めです。
・海藻
昆布やわかめなどの海藻に含まれる水溶性食物繊維をアルギン酸といいます。アルギン酸には腸内でコレステロールを排出する働きがあります。
ふえるわかめちゃんの理研の発表によれば、わかめを食べると体内のエネルギー代謝に関わる遺伝子の発現が変動して脂肪燃焼が促進され、コレステロールの合成は抑制されるということが確認されたそうです。乾燥わかめならお味噌汁にそのままパラリと入れるだけで食べられるので、常備しておくと便利です。
LDLコレステロールを下げてくれる飲み物
・お茶
お茶には血液サラサラ効果があるものが多く血中LDLコレステロールを下げてくれます。例えば緑茶や紅茶、ウーロン茶に含まれる茶カテキンはコレステロールの中でもLDL(悪玉)だけを減らす作用があると言われています。抗酸化作用も強いのでLDLが酸化されて超悪玉になるのも防いでくれます。
その他ケルセチンの血液サラサラ効果が期待できる玉ねぎの皮茶や、サポニンのコレステロール低下作用と食物繊維イヌリンのコレステロール排出効果が期待できるごぼう茶もお勧めです。
・コーヒー
コーヒーにもLDLコレステロールを下げる効果が期待できます。クロロゲン酸というポリフェノールはLDLコレステロールが血管にくっつくのを抑制してプラークを予防してくれます。クロロゲン酸は生豆に多く含まれる成分で焙煎とともに少なくなります。クロロゲン酸を多く摂りたいなら浅煎りのコーヒー豆を使うのがお勧めです。
また、コーヒーに含まれるビタミンB1の一種ナイアシンにはHDL(善玉)コレステロールを増やす作用があるということが日本動脈硬化学会で発表されています。クロロゲン酸は浅煎りがいいのですが、ナイアシンを摂りたいなら深煎りがいいそうです。いずれにしてもブラックで飲みましょう。
・ココア
ココアには、LDLコレステロールを下げると同時にHDLコレステロールを増加させる作用があるカカオポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは抗酸化物質ですから、コレステロールの酸化も予防してくれます。
市販の製品にはミルクや砂糖が多く含まれているものが多いので、無糖のココアを購入して利用するのをお勧めします。
・豆乳
豆乳は天然のコレステロール低下薬の異名を持つ大豆から作られたミルクです。豆乳メーカーのマルサンの発表では、1日200mlの豆乳(国産大豆の調整豆乳)を毎日飲み続けたところ大豆たんぱく質のコレステロール低下作用によって4週間後からLDLコレステロール値が下がったそうです。
いかがでしたでしょうか。LDLコレステロール値が高くなり、HDLコレステロール値が低くなると血液ドロドロになりやすくなってしまいます。ぜひ、上記のポイントを知った上で食習慣を見直し、血液サラサラ・健康な身体を維持していきましょう。