男性管理栄養士の目線で

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<新しい栄養学>時間栄養学の考え方

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こんにちは、やーまんです。

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今回は時間栄養学という、栄養学の中でも比較的新しい概念について記事にしていきます。

 

そもそも、時間栄養学って??

「時間栄養学」とは、「なにを、どれだけ」に加えて「いつ食べるか」を考慮した栄養学を指します。

 

この「時間栄養学」に基づきながら、より健康になるための食事のポイントを3つご紹介いたします。

 

①食べる順序・速度について

 ⇒野菜などをごはんよりも先に食べましょう

 

今の栄養学では、栄養素の種類と量が同じならば同じ人では同じ効果が出るというのが原則とされています。その為に食事摂取基準が厚生労働省によって決められています。

 

しかし、時間栄養学の進歩で、食べる時刻はもちろんのこと、食べる順序や速度が健康に大きな影響を持つことが判って来ました。特に血糖値が急に増えると、高血糖による組織の損傷を避けるためにすぐにインスリンが分泌されて、血糖を脂肪に変えるのです。

このため、いくらダイエットをしていても、空腹時に急いでごはんやお菓子を食べると、血糖値が急上昇して肥ってしまうのです。また、インスリンが急激に上がると、次第に膵臓の機能を弱めて、長い間に糖尿病になるのです。

 

これを防ぐ方法は、血糖値をゆっくり上昇させるように、一口30回噛むなど、ゆっくり食べる方法、糖の吸収を遅くする食物繊維に富んだ食物を同時に食べる方法があります。

しかし、最も有効なのは、野菜などをごはんよりも先に食べることと言われています。

 

②食べる時刻について

 ⇒全ての食事を12時間以内にとりましょう

 ⇒朝・昼・夜の食事の割合は3:3:4を目安にしましょう

 

朝食から夕食までが12時間で収まっていれば、 体は持って生まれたリズムで動いていると考えられています。
生体リズムが乱れて代謝がスムーズでない人の場合、12時間以内を意識して実践するだけで減量につながることもあるそうです。

また、夜遅い時間の夜食は摂取したエネルギーが使用されず、 脂肪として蓄積されやすくなるため、夕食は就寝の2〜3時間前に軽めにとるというのがおすすめです。
朝:昼:夜の食事でエネルギーの量の理想的な配分費は、3:3:4。

 

夕食がどうしても21時以降になってしまうというような場合には、 17〜18時ごろに軽い食事をとることで、昼からの長い血糖低下を防ぐとともに、夜食を多く摂取してしまうことによる肥満も予防できます。

 

③生体リズムについて

 ⇒人の生体リズムは約25時間。1日1時間ずれる。

 ⇒朝の光を浴び、バランスの良い朝食を食べましょう。

 

ヒトの体は「概日リズム(サーカディアンリズム)」という独自の生体リズムを持っています。
このリズムはだいたい1日25時間の周期を持っているため、ほうっておくとヒトは徐々に夜更かしの体になっていきます。

 

これを防ぐのが、朝の光を浴びることと 栄養バランスのとれた朝食をとること。 この二つの行動によって人の体は朝であることを認識し、 リズムのズレを修正します。

 

このように朝食は、正しい生活リズムのもとになるとともに 昼の活動のエネルギー源として使われるため、 夜に比べて脂肪として蓄えられることも少ないということがわかっています。 メニューは炭水化物に加え、タンパク質の摂取を意識しましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。

同じ人が、同じ献立・量の食事をしても、食べる時刻や順序に注意するだけで肥満や糖尿病等を防ぐことに寄与できます。とても素晴らしいことですね。

皆様も、食事の際は野菜から食べるようにしてみてくださいね。

 

それでは、今日はこのへんで。

 

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