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<飲む点滴!>話題の甘酒の栄養

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こんにちは、やーまんです。

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今回は、飲む点滴と言われている「甘酒」について記事にしていきます。

最近では、ある芸能人の方のブログでも紹介された話題の甘酒・・・

日々の栄養指導の中で、患者様からもよくご質問いただきます。

一体どんな栄養素が含まれているのでしょうか。

一緒に見ていきましょう。

 

知っていますか? 甘酒には種類が2種類あります

 

あまり知られていないかもしれませんが、甘酒には、

酒粕から作る甘酒

市販されている甘酒の多くは酒粕から作られた甘酒です。酒粕に砂糖を加えて作られます。そのためカロリーは高くなりやすく、アルコールも含まれているので子供は飲むことは出来ません。

 

「米麹」から作る甘酒

一方で米麹から作られた甘酒は、米に米麹を加えて作られます。砂糖を加えないため、その甘みは麹が引き出したお米の甘みです。この米麹から作られる甘酒は、飲む点滴とも言われるほど高い栄養価を持つと言われています。

 

今回は、②の「米麹」から作る甘酒を中心に話を進めていきます。

 

 

カロリーについて

 

他の飲み物とカロリーを比較してみました

甘酒  ・・・81kcal

牛乳  ・・・67kcal

豆乳  ・・・46kcal

調整豆乳・・・64kcal

(七訂日本食品標準成分表をもとにした可食部100g当たり)

 

甘酒は、100g当たり81kcalなので、通常のコップ1杯(200ml)だと

162kcal程度の摂取になりそうです。

飲み過ぎは中性脂肪の増加や肥満に繋がる為、毎日飲む場合でも1日1杯くらいにしておいた方がよさそうです。

 

米麹について

 

そもそも「麹」とは何か、正体をすごく簡単に言えば「カビ」です。
加熱した穀類に生えやすいカビで、米麹、豆麹、麦麹などがあります。

 

麹は日本の風土に適しているので『国菌』にも認定されているそうです。
(国が認定している菌なんてあるんですね^^;)

 

米麹の栄養価

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※七訂日本食品標準成分表をもとにした可食部100g当たりの栄養量。
※成分名横の()内は成人女性の1日の推奨量または目安量

 

 他にも、たんぱく質、脂質、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛など各栄養成分は微量ですが含有されています。ビタミン類も種類豊富に含有されているのが米麹の特徴です。このことから、「飲む点滴」と言われているのでしょう。

米麹の効能と米麹甘酒の効能

パントテン酸は肥満予防や免疫力の向上、美肌などを維持します
・ビオチンは糖質をリサイクルする補酵素。不足すると免疫機能が低下します
・コウジ酸はシミの原因となるメラニン色素の生成を抑制します
ブドウ糖が疲労の回復をします
オリゴ糖ビフィズス菌の餌となり、善玉菌が増えてお腹の調子を整えます

 

「火入れ」について

 

甘酒は発酵食品です。
市販品を例として考えてみましょう。

商品として出荷して流通に乗ると、その間も発酵はどんどん進みます。それは味が変わることを意味します。市販品で味に統一性が無いのは問題ですよね。

味を変えないためには、発酵を止める、あるいは遅らせる必要があります。
そのために「火入れ」という加熱殺菌作業をします。

この「火入れ」によって、熱に弱い酵素は働きを失い、含まれる
ビタミンの量も減ってしまいます。


ご参考までに、「火入れ」をしないと発酵は最終段階まで進んで、
甘味が酸味に変わり、味は酸っぱくなります。

 

甘酒の市販品は基本的には「火入れ」をします。
この「火入れ」で発酵がスムーズに行われなくなるので、甘酒の甘味のコクが失われます。
結果、“甘いだけ”の甘酒になってしまいます。これは残念ですね。

お勧めは、やはり手作りや、市販品でも「生」を謳った甘酒です。

 

火入れに関しては、以前書いたコチラの記事も関連しますので宜しければお読みください↓

 

gohangohan-com.hatenablog.com

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

色々と書いてきましたが、まとめとしては、

「米麹」から作った甘酒を「生」で飲むと最も栄養価が高い

という事になります。

 

米麹から作る甘酒は、その栄養価の高さから、江戸時代には夏バテ防止に飲まれていたとも言われています。

年始だけではなく、通年飲んでも良さそうですね。

ただ、カロリーは低くない為、飲みすぎにはご注意ください。何事も適量が一番です。

 

それでは、また。

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