男性管理栄養士の目線で

栄養学・料理・アウトドア

体調不良には、症状に合ったビタミンの補給を!

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、やーまんです。

f:id:gohangohan-com:20161222092321j:plain

今回は、名前は聞いたことがあっても、身体の中でどのような働きをしているかはあまり知られていない、各種ビタミンについて記事にしていきます。

 

そもそも、ビタミンとは

ビタミンは、体の調子を整えるのに欠かすことのできない栄養素です。13種類あり、体の中の働きは種類によって異なります。

必要な量は少ないのですが、人の体の中で作ることができなかったり、作られても量が十分ではなかったりするので、食べ物からとる必要があります。

水に溶ける水溶性ビタミンと、水に溶けずあぶらに溶ける脂溶性ビタミンに大きく分けられます。

 

【水溶性ビタミン 】

尿などに排出されやすく、体の中にためておくことができません。必要な量を毎日とることが大切です。
ビタミンB1ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシンパントテン酸葉酸、ビオチンの9種類あります。


【脂溶性ビタミン】

あぶらと一緒にとると吸収率が上がります。排出されにくく、とりすぎると過剰症になるおそれがあります。
ビタミンA、ビタミンDビタミンE、ビタミンKの4種類あります。

 

どれくらいとればいいか

どれくらいとったらよいかは、年齢やビタミンの種類によって大きく異なります。

種類によって体の中での働きや役割が異なるので、不足するとさまざまな症状がでます。また、とりすぎると害がでることがあります。普通の食事ではとりすぎを心配する必要はありませんが、いわゆる健康食品を使う場合は、使い方に十分注意しましょう。

 

ビタミンの種類と多く含む食品の例

<水溶性ビタミン>
ビタミンB1     ・・・肉、豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜
ビタミンB2     ・・・肉、卵黄、緑黄色野菜
ビタミンB6     ・・・レバー、肉、卵、乳、魚、豆
ビタミンB12   ・・・レバー、肉、魚、チーズ、卵
ビタミンC       ・・・緑黄色野菜、果物
ナイアシン   ・・・魚介類、肉類、海藻類、種実類
パントテン酸  ・・・レバー、卵黄、豆類
葉酸      ・・・レバー、豆類、葉もの野菜、果物
ビオチン    ・・・レバー、卵黄


<脂溶性ビタミン>
ビタミンA    ・・・レバー、卵、緑黄色野菜
ビタミンD       ・・・肝油、魚、きくらげ、しいたけ
ビタミンE    ・・・胚芽油、大豆、穀類、緑黄色野菜
ビタミンK     ・・・納豆、緑黄色野菜

 

それぞれのビタミンの主な働きや欠乏症

<水溶性ビタミン>

ビタミンB1

糖などを分解してエネルギーを作るときに必要な物質です。ビタミンB1はエネルギーを産出する酵素の働きを助けるのです。

このビタミンが不足すると脚気(末梢神経障害)やウェルニッケ脳症(中枢神経障害)が起こります。これらの病気には食欲減退、体重減少、歩行障害などの症状が伴います。

 

ビタミンB2

脂質や糖の代謝に関わるビタミンです。このビタミンが酵素を助けることで、エネルギーが生まれるのです。

また、ビタミンB2には脂質の酸化を防ぐ作用(脂質抗酸化作用)があります。つまり、生体の酸化を防いでくれるので老化を防止します。

ビタミンB2は多くの食品に含まれているため、欠乏症は起こりにくいですが、欠乏すると舌炎、口内炎、角膜炎などの症状が表れます。

 

③ビタミンB6

ビタミンB6は体内で酵素の働きを助ける役割をします。主にアミノ基の代謝に関わっています。

このビタミンは多くの食品に含まれているため、欠乏症は起こりにくいです。しかし不足すると貧血、皮膚炎、幼児のけいれんなどを引き起こします。

 

ビタミンB12

ビタミン12は核酸(DNAやRNA)の合成、脂肪の代謝などに関与します。

このビタミンが不足すると貧血を起こします。この貧血は悪性貧血であり下痢、神経異常などの症状が起こります。

 

⑤ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用をもつので、生体が酸化されるのを防いでくれます。これによって、体の老化を防いでくるのです。また、メラニンの色素沈着も防いでくれます。

欠乏すると壊血病を引き起こし、貧血、出血、脱力感などの症状がでます。過剰に摂取することによる毒性は知られていません。

 

ナイアシン

ナイアシンは体内でNAD やNADP へと合成されます。ナイアシン必須アミノ酸の一つであるトリプトファンからも合成されます。
NAD は脱水素酵素の働きを助ける物質へと合成されます。脱水素酵素は、例えばアルコールの代謝を行います。NADP は外からの有害な化学物質などの代謝(無毒化)に関与します。

 

欠乏すると皮膚炎、下痢などを起こします。また、過剰に摂取すると肝障害、皮膚の紅潮などの症状が表れます。

 

パントテン酸

パントテン酸はCoA(コエンザイムA)の原料となります。コエンザイムAはさまざまな酵素の働きを助ける役割を果たします。コエンザイムAは糖、脂質、タンパク質の代謝に関わる重要な物質です。

コエンザイムAとコエンザイムQ10は別の物質です。

ヒトでは腸内細菌が合成してくれるため、欠乏症は起こりにくいです。しかし、パントテン酸が欠乏するとCoAを合成できなくなるので、エネルギーの代謝異常を起こします。

 

⑧ビオチン

脂肪酸アミノ酸の代謝を助けます。マウスの実験ではビオチンの欠乏によって皮膚炎を発症するということが確認されてます。しかし、ヒトでの欠乏症はまだ報告されていません。

 

葉酸

葉酸は核酸(DNAやRNA)の合成・分解、細胞分裂アミノ酸やタンパク質の分解に関与しています。

葉酸が不足すると成長障害、貧血、消化器障害などが起こります。ただし、腸内細菌が合成してくれるため、欠乏症は起こりにくいです。なお、過剰症はほとんど見られません。胎児の成長に必要不可欠なビタミンであり、妊婦さんは積極的に摂るとよいでしょう。

 

<脂溶性ビタミン>

⑩ビタミンA

ビタミンAは酸化されやすい物質ですが、酸化されると活性を失ってしまいます。サプリメントとして使用するなら、抗酸化作用をもつビタミンCやビタミンEと一緒に取るのが良いかもしれません。

ビタミンAは主に目で光を感じる機構に関係しています。そのため、不足すると視力低下や夜盲症となります。

上皮組織の分化・増殖などにも関与しており、妊婦や乳児にも必要なビタミンです。不足すると成長障害が起こります。

また、ビタミンAを摂取しすぎると嘔吐、頭痛、睡眠障害など様々な症状が表れます。β-カロテンは植物色素に含まれており、体内に入るとビタミンAへと分解されます。

 

ビタミンD

骨の形成に関わるビタミンであり、ビタミンDによってカルシウムとリンが骨に沈着します。ビタミンDは紫外線を浴びることによって、体内で合成されます。そのため、日光に当たる時間が極端に少ない人は注意が必要です。

また小腸でのカルシウムの吸収、腎臓でのカルシウムの再吸収を促します。

ビタミンDが不足するとカルシウムの欠乏が起こります。ビタミンD不足によって小児ではくる病が起こり、成人では骨軟化症などが起こります。ビタミンDの不足は骨粗しょう症の原因となります。

しかし、ビタミンDを摂取しすぎると血液中のカルシウム濃度が上昇し、高カルシウム血症が起こります。これによって心臓や腎臓などにカルシウムの沈着が起こってしまいます。特に腎臓では重度となると、腎不全に陥ることがあります。

 

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用がある物質です。つまり、ビタミンEは酸化されやすい物質であり、他の物質が酸化される代わりにビタミンEが酸化されます。これにより、生体に存在する物質が酸化されるのを防いでくれます。

この作用によって、ビタミンEはビタミンAや生体脂質が酸化されるのを防ぐのです。

ビタミンEが不足すると不妊、歩行困難、貧血などの症状が表れます。なお、ビタミンEは脂溶性ビタミンですが尿中に排泄することのできるビタミンです。体に蓄積されないので過剰症は知られていません

 

⑬ビタミンK

肝臓で血液を凝固させる物質(血液凝固因子)を作るのに必要なビタミンです。

ビタミンKは腸内細菌によって合成されますが、抗生物質などの長期投与によって腸内細菌が殺されると、ビタミンKの配給が食物からの摂取のみに限られてしまいます。

ビタミンKが欠乏すると血液凝固に関わる障害が表れます。乳児では頭蓋内や腸内などで出血傾向が見られるようになります。

 

※ワーファリン(いわゆる血液サラサラ薬)という薬を服用している方は、ビタミンKの摂り過ぎによりワーファリンの効果を打ち消してしまう恐れがある為、

納豆・青汁・クロレラ・モロヘイヤ・野菜ジュース等の飲食は控えましょう

 

いかがでしたでしょうか。

ビタミンCなどの水溶性ビタミンは煮物だと煮汁も飲み干さないと体内に十分取り込まれません。その際は、塩分の摂り過ぎにご注意下さい。

また脂溶性ビタミンは、油でいためるなど脂分と一緒に調理すれば吸収されやすくなります。

様々な食品をバランスよく食べて、健康に過ごしていきましょう。

それでは、また。

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

<賃貸でDIYに挑戦!>第5作目:看板作り

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、やーまんです。

 

f:id:gohangohan-com:20161209082229j:image

今回は、リビング用のインテリアとして100均アイテムで看板を作ったので記事にしていきます。(*いかにも店名らしく、燻製工房、とありますが、実在する店舗様等とは全く関係ございませんのでご了承下さい。趣味が燻製作りなので、書いてみました。)

 

今回用意した材料は、以下の通りです↓

①DAISOのコルクボード

②DAISOのスプレー缶(スカイブルー)

③セリアの黒板シート(ペン用)

④セリアの油性ペン

ナチュラルキッチンのアルファベットオブジェ ×2つ

⑥セメダイン

合計¥700-程度です。

油性ペンやセメダイン(木工用ボンドでも可)等持っていれば、もっと安価に作製できます。

 

〜作り方〜

①黒板シートをコルクボードのサイズに合わせて切り、貼ります。黒板シートの裏面は、シールタイプになっている為、貼り付けには接着剤は必要ありません。

 

②アルファベットオブジェで作りたい単語を決めて、レイアウトを決定。ナチュラルキッチンのアルファベットオブジェは、税込¥108-でA〜Zまでの26文字が入っています。作りたい単語があったので、私は2セット購入しました。

 

③レイアウトが決まったら、必要に応じて、スプレー缶で文字だけ塗装(塗装はしなくても可です)

 

④セメダインで、アルファベットオブジェを黒板シートに貼り付け。

 

⑤油性ペンで、絵や文字を書いて、完成!

 

ドリルドライバー等が必要な工程も無く、とっても簡単です!

ちなみに、看板下部の「THANKS」のAが足りずに、Vをひっくり返して代用していますが、まぁこれはこれでいい味が出ています。

また、コルクボードで作製している為、ここに釘を打ち込んだりフックを掛けたりと、まだ手を加える事も可能です。

 

我が家は、タイトルにもありますが賃貸であり、間取りが1Kととっても狭い為、床に看板を立て掛けたりするスペースがありません。その為、石膏ボードの壁にマスキングテープを貼り、その上に超強力両面テープを貼ってコルクボードを固定しています(その為看板というか表札に近いですが、我が家は表札が別にあるのでここでは看板、という表記にします)

 

 

いかがでしたでしょうか?

コルクボードは100円均一にも様々なサイズがありますし、油性ペンも何色か使えば、かなり自由に看板作りができるかと思います。

興味をお持ちになった方は、ぜひお試しを。すぐに作れますよ!

 

それでは、今回はこの辺で。

このエントリーをはてなブックマークに追加

<食べ物が身体を作る>3大栄養素の働きとは

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、やーまんです。

 

f:id:gohangohan-com:20161206100724j:plain

 

今回は、栄養学の最も基礎部分である、3大栄養素について触れていきます。

3大栄養素とは、人間の生命維持に欠かせない栄養素であり、

①糖質(炭水化物)

たんぱく質

③脂質

の3つを指します。

 

①糖質(炭水化物)=体と脳のガソリン

f:id:gohangohan-com:20161206102034j:plain

炭水化物を食べると、消化吸収されて血中で糖となり、この糖が体や脳の活動に欠かせないガソリンになります。消化吸収された炭水化物は、肝臓に蓄えられ、食事と食事の間には(睡眠中や昼食と夕食の間など)、そこから供給されます。食事を抜くと、血液中の糖が少なくなり、イライラしたり、集中力が欠けたりしてきます。体だけではなく、心や頭に大切な栄養源なのです。

 

炭水化物は糖と食物繊維に分類できます。栄養成分の表示がある場合は、「炭水化物」とだけ書いてあることも、「糖」・「食物繊維」と書いてあることもあります。糖が体と脳のガソリンであるのに対し、食物繊維には、満腹感を与えたり、便秘を予防したり、大腸の善玉菌の環境を整える働きがあります。雑穀米、雑穀パン、芋など、食物繊維の多い炭水化物を日常的に食べる習慣をつけることで、単なるガソリンとしての役割だけでなく、腸の環境改善など、複数の健康効果が期待できます。ただし、加工・精製された炭水化物を摂り過ぎると、体重増加などにつながるので注意が必要です。

■炭水化物が多い食品
・適量食べたい:米やパンなどの穀類、麺類、果物、牛乳・乳製品、豆、芋など
・控えめに:お菓子、清涼飲料水、菓子パン、スナック菓子

 

たんぱく質=体を作る栄養素

f:id:gohangohan-com:20161206102150j:plain

たんぱく質は体を作る栄養素で、体内では古いものと新しいものが常に入れ替わっています。タンパク質は体の中で、アミノ酸に分解されます。アミノ酸は、髪、爪、内臓、筋肉などの主成分でもあり、ホルモンや酵素などを作るのにも欠かせません。

 

体で作れない必須アミノ酸があるため、食事から摂取する必要があります。特に、ホルモンや酵素に使われるアミノ酸の入れ替わりは速く、常に十分な量のタンパク質を摂取することが大切です。酵素は体内のあらゆる機能に欠かせず、ホルモンはそれぞれの器官が上手く機能するのに不可欠です。

 

またダイエットをする人は、カロリーばかりを意識して、肉や乳製品などたんぱく質が豊富な食品を控える傾向があるので、不足しないように注意が必要です。一方、脂身の多い肉、加工肉、揚げた肉などは、カロリー、塩分、脂質の過剰摂取で、体重、血圧、血中脂質などに悪影響を与えるので注意が必要です。

たんぱく質が多い食品
・適量食べたい:魚、脂身の少ない肉、卵、乳製品、豆・豆製品
・控えめに:脂身の多い肉、肉や魚を揚げたもの、ハムやベーコンなどの加工食品

 

③脂質=脳の機能・ビタミンの運び屋

f:id:gohangohan-com:20161206102123j:plain

脂質は脳の正常機能にも必要な栄養素であるだけでなく、食事の消化・吸収、脂溶性ビタミンの運搬にも欠かせません。臓器、神経、骨などを守ったり、体温等を正常に整える役割があります。


脂質は多すぎても少なすぎても好ましくありません。大切なのは脂質の種類であり、体に良い脂質を選んで食べることが大切です。青魚やくるみなどに多く含まれるオメガ3脂肪酸には、血中脂質や血圧の改善に効果があるだけはなく、炎症などのトラブルを防ぐ働きがあります。オリーブオイルやアボカドなどに含まれる一価不飽和脂肪酸にも、血中脂質を改善する働きがあります。


市販のお菓子、レトルト食品、マーガリン、ショートニングなどに含まれているトランス脂肪酸は、体への深刻な悪影響が報告されているので控えるようにしましょう。脂質の多い肉やバターなどは、適量ならば大丈夫ですが、脂質はカロリーがぎっしり詰まっているので、カロリーオーバーにならないように気をつけたいところです。

■脂質が多い食品
・適量食べたい:脂がのった青魚、くるみ、オリーブオイル、キャノーラオイル、アボカドなど
・控えめに:マーガリン、バター、ラード、ショートニング、肉の脂、生クリーム、スナック菓子やお菓子など

 

 

いかがでしたでしょうか。

3大栄養素は、どれか一つだけでも不足してしまうと、身体の中のバランスが崩れ、様々な健康被害になりやすくなってしまいます。

1日3食、主食・主菜・副菜を揃えた食生活を心がけ、健康な身体を維持していきましょう。

 

本記事のタイトルにも付けた「食べ物が身体を作る」は、私が管理栄養士として、医師や看護師・薬剤師・理学療法士その他スタッフや、患者様とお話しさせていただく上で、病気の治療や健康維持の為に、最も大事にしている言葉です。

この記事をお読みいただいた皆様も、「食べ物が身体を作る」事を忘れずに、美味しく・楽しく・バランスの良い食生活を送っていただけたら幸いです。

それでは、今回はこの辺で。

このエントリーをはてなブックマークに追加

野菜ジュースは野菜の代わりになる??

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、やーまんです。

 

f:id:gohangohan-com:20161126105634j:plain

今回は、栄養指導時にも患者様からよくご質問される、「野菜の代わりとして野菜ジュースを飲んでもいいのか」という点について記事にしていきたいと思います。

 

1日分の野菜が含まれています、などと言った謳い文句等もあり、「野菜ジュースは何となく体に良さそう」という世間一般のイメージもあれば、「野菜ジュースは飲んでも意味がない」という識者の意見もあります。今回はこの2点を踏まえて私独自の意見を述べていきます。

 

野菜ジュースを飲んでも効果がないと言われる一般的な理由は主に以下の2つです。

①ビタミンCが熱によって失われる
②不溶性食物繊維がほとんど含まれていない

 

また上記に加え、私が野菜ジュースについて、栄養指導時に患者様に注意を促す事は、

③糖質が多く入っている商品が多い

④ワーファリン(血液サラサラ薬)の効果を打ち消す危険性がある

という事です。

上記4点について、考察していきます。

 

①ビタミンCが熱によって失われる

本来、野菜や果物にはビタミンCが豊富に含まれるのですが、
野菜ジュースにする過程で高温で熱するため、熱に弱いビタミンCは失われてしまいます。

※ビタミンには熱に弱い水溶性ビタミンと熱に強い脂溶性ビタミンが存在しますが、本来野菜から豊富に摂取できる水溶性ビタミンはビタミンCが主なので、ここではビタミンCを挙げています。

ビタミンCは“美肌効果”や“アンチエイジング効果”など担っていますが、
もしビタミンCが不足すると以下の健康被害が生じます。

・壊血病
・歯茎、皮下の出血
・骨の形成不全


しかし!

実はビタミンCが野菜ジュースから摂取できないことはそれほど問題ではありません。
理由は以下の2点。

・ビタミンCは通常の一般的な食事で十分摂取できている
・ビタミンCが摂取できる野菜ジュースもある
現在の一般的な食生活においてビタミンCの摂取はそれほど難しくなく、
『国民健康・栄養調査』を参照すると、“通常の食事でビタミンCは十分に摂取できている”という状況です。※一日のビタミンC推奨摂取量は100mg以上

 

また、野菜ジュースによっては熱したあとにビタミンCを添加しているため、
きちんとビタミンCを摂取できるものもあります。

例)野菜生活100 フルーティーサラダ

f:id:gohangohan-com:20161126111245j:plain

1パックのビタミンC含有量:100~260mg

ビタミンCの失活の観点で野菜ジュースを否定している記事をよく見かけるので、
一応私なりに反論してみました。

 

それでですね、
本当に問題なのは次なのです。

 

②不溶性食物繊維がほとんど含まれていない

野菜ジュースを飲む目的の一つに、
「何となく食物繊維が摂取できそう」というものが含まれると思います。

 

実際の所は、食物繊維の一日の推奨摂取量は20~25gですが、
現実には日本人は平均15g程度しか摂れていません。

そうするとこれは大きな問題です。

 

また、食物繊維の量だけではなく、
種類においても問題があります。

食物繊維は2種類あります。

・水に溶けやすい水溶性食物繊維
・水に溶けにくい不溶性食物繊維


これらはバランス良く(水溶性:不溶性=1:2)摂取しないといけないのですが、

野菜ジュースには不溶性食物繊維はほとんど含まれていません。

そして、水溶性食物繊維ばかりを摂り過ぎると、
“下痢”や“重要な栄養素(ビタミン・ミネラル)の排出”などの健康被害が起こります。

なので、例え野菜ジュースから食物繊維が多く摂取できたとしても、
実際に野菜を食べないと不溶性食物繊維が摂取できないので健康を害するということです。

 

あとですね、
そもそも野菜は本来、不溶性食物繊維の方が豊富なのです。

だから、例え『1日分の野菜』という謳い文句でも、
野菜ジュースに含まれる食物繊維の総量(ほぼ水溶性)は少ないんです。

 

・・・・と、

ここまでの説明なら他のサイトでもよく見かけますが、
何とも抽象的でイメージしにくいですよね。

なので、実際に野菜ジュースに含まれる食物繊維の量を例に出してみましょう。

 

野菜ジュースの食物繊維含有量

伊藤園 せんい質野菜

f:id:gohangohan-com:20161126112226j:plain

・エネルギー:69Kcal
食物繊維含有量(1パック):10.0~12.5g

 

カゴメ ジューシィビタミンC

f:id:gohangohan-com:20161126112350j:plain

・エネルギー:73Kcal
食物繊維含有量(1パック):4.2g

 

カゴメ 野菜生活100 30品目の野菜と果実

f:id:gohangohan-com:20161126112434j:plain

・エネルギー:74Kcal
食物繊維含有量(1パック):3.1g

 

以上、食物繊維の多い野菜ジュースを挙げました。

これらは“例外的に”多く食物繊維を含んでいますが、
この他に野菜ジュースはいろいろあり、大半が0.1~2.0g程度です。

『1日分の野菜』は、
食物繊維だけを見ると、“1/10日分の食物繊維”なわけです・・・。

一日の推奨量20~25gということからこれが少ないことはお分かり頂けるかと思います。

 

③糖質が多く入っている商品が多い

糖質の摂り過ぎは、血糖値の過剰な上昇や、中性脂肪値の増加を招きます。

 

多くの野菜ジュースは野菜特有の青臭さやエグ味を打ち消すため、リンゴや柑橘系の果物を配合していまが、果物の糖度は高いので、厳格に糖質制限を進めたい方は敬遠すべきでしょう。

糖質の高い果物(100g中10g以上の糖質がある)には、はっさく、梨、いよかん、うんしゅうみかん、ネーブル、パイナップル、いちじく、洋梨、リンゴ、キウイフルーツさくらんぼ、柿、ブドウ、バナナ等があります。

 

また、野菜オンリーの製品でもニンジンを主だった原材料としているものは比較的糖質が高いです。100g中5g以上の糖質を含む野菜には、タマネギ、ニンジン、パセリ、ブロッコリーがあります。

タマネギ以外は野菜ジュースに含まれる主立った野菜ですので、こうした原材料の配合率とジュース全体の糖質をチェックした方が無難です。

 

④ワーファリン(血液サラサラ薬)の効果を打ち消す危険性がある

ワーファリンとは、血栓の生成を防ぐ為、血液の凝固を抑制するお薬です。

ワーファリンを処方される場合、まず初めに医師もしくは薬剤師から、「納豆・青汁・クロレラは食べないようにして下さい」と注意喚起されます。

これは、納豆・青汁・クロレラに含まれる「ビタミンK」という栄養素を過剰に摂ると、ワーファリンの効果を打ち消してしまう事によります。

 

このビタミンKですが、実は多くの野菜にも含まれています。野菜の中でも特に、緑黄色野菜は比較的豊富にビタミンKを含んでいます。

通常、例えばほうれん草や小松菜などをお浸しや和え物で小鉢や中鉢程度食べる分にはワーファリンに影響を及ぼさないとされています。

しかし、緑黄色野菜の多い野菜ジュースでは、ビタミンKが多く入っているものもあり、注意が必要です。

 

 

いかがでしたでしょうか。

結論としては、
①ビタミンCは通常の食事で摂取できる

②不溶性食物繊維がほとんど含まれていない(水溶性のみだと下痢になりやすい)

③果物等の糖質が多く入っている商品が多い

④ワーファリンを飲んでいる時は、商品によっては薬効が落ちる危険性がある

 

上記4点から、野菜ジュースは野菜の代わりにはならない、というのが私の意見です。

 

加熱工程がある為、私たちが思っている以上に野菜成分の摂取はできないのですが、それでも全ての栄養素が熱により失われるわけではない為、普段野菜を食べない人・不足している人などは、野菜ジュースを飲まないよりは健康になれるかな、とは思います。

しかし、野菜ジュースを飲んでいれば、野菜を食べなくても大丈夫、というものでは無いと考えます。

 

「1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事」を心がけ、健康な身体を作っていきましょう。

それでは、今回はこの辺で。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

<賃貸でDIYに挑戦!>第四作目:スパイスラック

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、やーまんです。

 

f:id:gohangohan-com:20161120174611j:plain

 

今回は、乱雑に調味料等が出ていたキッチンを少しでも綺麗にするべく、スパイスラックをDIYしました!

 

調味料って、液体調味料や粉末調味料・香辛料と色々あるし、それぞれボトルや袋等の容器の形も大きさも違って、どうしてもキッチン周りがごちゃごちゃしやすいですよね・・・

今まで調味料類はシンク下の収納に見えないように置いておきましたが、すぐに見えないという心の余裕からか、乱雑にしまっていました。

また、私は管理栄養士という職業柄もあり、自宅ではそこそこ料理をするのですが、シンク下から料理の度に調味料を取り出したりしまったりするのは面倒に感じていました(面倒くさがりなだけ?)。

 

そこで今回はキッチン周りについて、

①すっきり綺麗に

②見せる収納でお洒落に

③料理時に使いやすく

の3点を目標に、「スパイスラック」作りに挑戦しました!

 

1)現状の把握

まず、スパイスラック作製前のキッチンの写真がコチラ↓

f:id:gohangohan-com:20161120180321j:plain

き、きたない・・・

物をシンク下にしまうことすら、最近は出来ていませんでした(汗)

使用頻度の高いものは、出しておきたくなってしまいますよね。

シンク横はまな板を置いたり調理の下準備スペースになる為、ここにある調味料を移動させたいのです。

写真上部は出窓になっており、このスペースを有効活用することにします。

 

2)ダイソーにて買い出し

f:id:gohangohan-com:20161120180944j:plain

今回は主にダイソーの商品で作製します。

①すのこ        ×1

②板材(400×120mm)   ×3

③刷毛

⑤ネジ

④塗料(以前Loftで購入した水性ウレタンニス・オーク色)

⑤調味料を入れるボトル 適宜

スパイスラック自体は¥800-程度で作製できますが、調味料ボトルを沢山購入する為、そちらで値段が少し上がってしまいます。

 

3)塗装

f:id:gohangohan-com:20161120180944j:plain

すのこや板材をニス・刷毛で塗装します。この時はまだミスに気付いていませんでした・・・

 

4)すのこ切断

f:id:gohangohan-com:20161120182112j:plain

(ここでミスに気付く)

すのこの切断を、塗装の前にやっておくべきでした。

切断面を再度塗り直すという手間が発生してしまいました( ゚Д゚)

 

5)組み立て・完成

f:id:gohangohan-com:20161120182527j:plain

電動ドリルドライバーにて、すのこと板材を組み立てました。

すのこの強度に少し不安はあるものの、調味料類を乗せるだけなら問題は無さそうです。

作業時間は塗装から乾燥・完成までで2時間くらいでした。

 

6)いざ、キッチンへ

f:id:gohangohan-com:20161120182842j:plain

液体調味料はオイルボトル(容量280ml)に移し替え、粉末調味料はガラスボトル(容量450ml)に移し替えました。

オイルボトルもガラスボトルも、店舗にあった分を全て買い占めましたが(迷惑な客ですみません)、全く足りず・・・商品が納品されたら、買い足して綺麗に並べます。

香辛料類は、小さいボトルを買って棚の最上段に並べる予定です。また、それぞれのボトルには今後ラベルを貼っていきます。

 

今回は中途半端ですがここまでです。キッチンはきれいに整頓できてきました。

ボトル買い足したり、ラベル貼って綺麗にしたら、再度記事にしたいと思います。

それでは。

このエントリーをはてなブックマークに追加

減塩食品リストのご紹介

こんにちは、やーまんです。

 

f:id:gohangohan-com:20161119000516j:plain

今回の記事では、日本の国民病とも言われる高血圧を改善する為に、

日本高血圧学会が公開している「減塩食品リスト」のご紹介をしていきます。

減塩食品リストでは、125食品が掲載されています(2016年11月現在)。

 

https://www.jpnsh.jp/data/salt_foodlist.pdf

 

昨今の健康志向を受けて、「減塩」を謳ってる商品が溢れている現状にあって、学会がわざわざこの手のリストを作成し、発表するということは、パッケージでは減塩を高らかに謳っていながら、その実はそれほど・・・なんて商品や、まぎらわしい表示をしている商品などが多いということなのかも知れませんね。

 

日本人は塩分の摂り過ぎ

そもそもWHO(世界保健機関)が提唱する塩分摂取量は、1日当たり5グラム未満です。そこまで塩分摂取量を減らすことができれば、高血圧リスクをぐっと下げることができることはわかっているのですが、日本では、古来より比較的多くの塩分を摂取する風習がありました。それは四季という季節の移り変わりを持つ日本が、暑さや寒さに食品が耐えられるよう、「塩漬・発酵」という技術を用いて保存性を高めることに成功した、醤油や味噌といった和食を代表する調味料が、多く使用されてきた事に由来すると考えられています。

目標とする摂取量はあくまで5グラムなのですが、日本人の実際の生活の中で、この1日5グラムという厳しい目標を達成するのは非常に難しいと考え、日本では独自に男性で8グラム、女性で7.0グラムという現実的な数値目標を設定しているわけです。(※高血圧症を罹患している人は、男女ともに6グラム未満とされています。)

ところが、2010年に行われた調査の結果、男性で約11グラム、女性で約10グラムと、世界基準よりも甘い日本の基準ですら、大きく上回っていることがわかりました。

そこで日本高血圧学会では、減塩委員会なる組織を立ち上げて減塩の大切さを啓発する活動を展開しています。今回公開された「減塩食品リスト」も減塩啓発活動の一環で、減塩に関するアドバイスとあわせて、同委員会が推奨できると判断した食品をリストに掲載したそうです。

 

 

いかがでしたでしょうか。

紛らわしい表示で消費者を欺くような商品に騙されず、科学的根拠に基づいた安心のできる商品を購入し、高血圧を改善して健康に暮らしたいものですね。

それでは、今回はこのへんで。

 

<賃貸でDIYに挑戦!>第三作目:壁を傷付けないウォールラック

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、やーまんです。

f:id:gohangohan-com:20161102222247j:plain

 

 

今回は、以前作ったパソコンデスク周りを、さらに快適空間にするべくデスク前の壁面をDIYしました。初心者DIY、第三弾です。

パソコンデスクや、デスクに合わせているベンチを作った時の記事はコチラ↓

 

gohangohan-com.hatenablog.com

 

gohangohan-com.hatenablog.com

 

 

今回DIYする壁面はコチラです。

f:id:gohangohan-com:20161102121224j:plain

殺風景ですね。なんとかお洒落にしたいものです。

 

レンガのリメイクシートや、ディアウォールで全面板張りも考えたのですが・・・

リメイクシートだと部屋全体の雰囲気と合わなくなる可能性が高く、

板張りにするとその後の自由度は高いものの、初期費用がかかる+引っ越しの予定があるためあまり大掛かりにやると後で面倒・・・

 

という訳で、今回はウォールラックを作り雰囲気を変える事にしました。

賃貸ですので壁を傷付ける訳にはいかないので、その問題をどうしようかと頭を悩ませつつ、とりあえずダイソーとセリアへ出発。店内見ている内にいいアイディアが降りてくることに期待!

 

 

ダイソーとセリアに関しては、店舗面積の差こそあるものの、DIYに使えそうな小物・雑貨はセリアの方が種類が多い印象。

セリアの店内を物色していると・・・ええ、降りてきました壁を傷付けないアイディアが。

自分の部屋に合わせるとどういう感じになるかを想像しつつ、色々な商品を買っていきます。

f:id:gohangohan-com:20161102122734j:plain

結局ダイソーと合わせて1000円以上の出費です・・・。

気を取り直して、作成していきます。

 

①壁面のウォールラックを設置したい場所に、マスキングテープを貼る

f:id:gohangohan-com:20161102123804j:plain

すのこの脚部分(?)を壁に貼る為、脚に合うように壁にマスキングテープを貼りました。

 

ダイソーのすのこ2つを、水性ニスのダークウォルナットで塗装

f:id:gohangohan-com:20161102123131j:plain

第一作目・第二作目のデスクやベンチも、この塗料で塗ってあります。色の統一感を出す為、またもや同じ色にします。300ml入りのボトルを購入しましたが、まだ無くなっていません。

 

f:id:gohangohan-com:20161102123410j:plain

20分程で塗り終わりました。

 

③すのこが乾いたら、セリアで買ったウォールラックをネジですのこに固定

f:id:gohangohan-com:20161102124349j:plain

すのこ1つに対して、棚2つを付けました(あまり重くするとすのこや両面テープが耐えられなくなります)

 

④すのこの脚の裏部分に、超強力両面テープを貼る

f:id:gohangohan-com:20161102124630j:plain

 

⑤すのこを、マスキングテープに合わせて貼り付け

f:id:gohangohan-com:20161102125034j:plain

いい感じになってきました。同じ物を隣合わせで2つ、壁に貼りました。

 

⑥飾り付け、完成!

f:id:gohangohan-com:20161102222505j:plain

かなり部屋の雰囲気も変わりました。まだ棚の上にいくつか小物が乗るスペースがあるので、お洒落な小物があったら飾り付けていきたいと思います。

 

それでは、今日はこの辺で。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加